二言目には山の如し

FH000020先日、吉祥寺で忘年会にお呼ばれして行ってきた。冬だというのに何故か怪談話が盛り上がってしまい、気付けば終電がない。ヨシっと自宅まで歩いて帰ることに決める。夜明けまでには着くだろうし、最近あまり長距離を歩いてないのでちょうどいいと思った。
久我山から懐かしい千歳烏山を経由し祖師谷大蔵の近くまでタクロー氏に送ってもらう。その後、ウルトラマン通りを突っ切り、成城の高級住宅街見物をしつつ、アサヒナ氏宅にピンポンダッシュにでも寄ろうかとも思ったが、だいぶ遠回りになるのでやめておいた。途中ものすごく狭く急な長い坂道を見つけたので好奇心で進路変更。うっそうとした小道がしばらく続き不安な気持ちで歩を進める、するといきなり見たことのある風景に出た。多摩堤通りだ。「おお~まさかここに繋がっているとは」と安心。
多摩堤通りをひたすら南下、お世話になっている会社の前を通り自分がデザインした看板が掲げられているのを見て一服。少し元気を取り戻す。冬の寒空を3時間ほどノンストップで歩いたせいか体が冷え切っていたのでデニーズでコーヒー休憩。その後、二子玉川までトボトボ歩く。二子玉川は大改造されていて、かつての知っている街ではなくなっているように感じた。
二子玉川をサクッと通過し多摩堤通りをさらに南下している最中、夜が明けてきて昔見たことがある風景が再び目に映る「この風景はたしか、、」とカメラを取り出して撮影。
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左の写真はおよそ5年前に”彷徨う豚”の橘氏とウチのメンバーで焚き火をした帰りに撮った写真。
右の写真が先日撮影したもの。
川向こうに見える街は武蔵小杉。景観の変化に5年という歳月が如実に見て取れる写真だなと思うと同時に、当時とは自分の環境も大分違っていることに気づく。当時はまさかこの辺に住むなんて思っていなかったし、毎日顔を合わせる人々もなんだか随分変わってしまったなと歳月を実感。その後もトボトボ歩いて左ひざが痛くなってきたあたりで自宅到着!お~寒かった。
とにかく中央、京王、小田急沿いへのアクセスが不便だ!
タクロー氏に教えてもらった『エイトライナー構想』のいち早い実現に期待する!でもやっぱ車社会なんですかね~。
車といえば、先日tetete夫妻が葉山までドライブした帰りに、せっかく車があるからということでもらい受けることになっていたソファを届けてくれた。ありがたい。仕事から帰ると玄関の前には手紙が添えられた裸のままソファが置いてある。
この様子は何というか実にヨーロッパ的で、実にカッコイイではないかとしばらくそのままにしておこうかとも思ってしまったくらいだ。が、大家さんに怒られる前にササッと部屋に取り込む。
ソファだらけになった部屋で大掃除の計画でもと考えていたら、インターホンが鳴った。先日姉に出産祝いを送ったのだけど、内祝いとのことでゴージャスなコーヒーセットが届いた。ソファにコーヒーセットとくればやることは一つしかないので、コーヒーを淹れてソファに佇む。
ただでさえのらりくらりと生活しているのに、さらに「ゆっくりSET」を手にしてしまった。先日ゲットしたデロンギオイルヒーターも悪魔的な快適さで行動力を奪ってくる。年末はやるべき事がたくさんあったような気がするが『動かざること山の如く』の心持ちを手にしてしまった。師走と呼ばれるほど皆が忙しい年末、イベントも盛り沢山で、外界には活気を感じる、、。
キャッキャッと黄色い声も混じる充実した雰囲気を傍目に、、、私はソファに鎮座して詠もう。
せわしくば 座ってしまえ ホトトギス
2010末 ウイ

クニマスが発見されたことについて

kクニマス。
実は僕はこの魚の存在を半年程前に知ったばかりだった。
釣りに夢中になった今年、今度の釣りはどこに行こうかねぇと釣り仲間と電話で話すのは楽しみの一つで、東京近郊から行ける川や湖の名前を挙げてはお互いに調べ、まだ行ったこともないのに『○○○はこうゆう湖だから、こう攻めるべきだな』とか『ボートで行けるかねぇ』とかキャッキャはしゃぐわけである。
そんななか、当然東京近郊の西湖の話も挙がった。その時に知ったクニマスのエピソードは
『むかーしむかし田沢湖には、クニマスというお魚がおりまして、皆からとっても愛されておりましたが絶滅してしまいました。絶滅する以前に、いくつかの湖にちょこっと移植放流された記録もあるんで、もしかしたら子孫が細々とどこかの湖で泳いでいるかもね』といった、半ばおとぎ話的なものである。この時点では完全に伝説であって。朝比奈くんの好きなチュパカブラーとどっこいの立ち位置であった。
田沢湖には幼い頃に何度か行ったことがある、たしか学校の遠足かなんかでも行った。
日本で最も深い湖、辰子伝説に始まる三湖伝説、など神秘的な話が多い湖だ。クニマスという固有種がいたなんて当時は知らなかったけど、クニマスを知ってからはtetete氏と電話しながら『オレもし西湖でクニマス釣ったら東北人として、田沢湖の漁協組合に連絡してクニマス復活させるわ』などと田沢湖のPH値を調整する作戦や、釣ったクニマスをすぐに運ぶためにヘリをチャータしとかないとね、とか笑いながら話していた。
ちなみに10月第一週の釣行では前日まで、片倉ダムに行くか西湖に行くかみんなで悩んでいたのである。
絶滅した当時はカラーフィルムもなかったせいか魚体の色が分かる写真も残っておらず、標本もホルマリン漬けの真っ白な亡骸しか見当たらない。『全体的に黒い魚体のマス』という伝聞しか残っていない状態で、姿を想像してもなかなかイメージは湧かなかった。西湖に釣りに行く予定も保留になっていたが、行ったところで本気でクニマスを狙った釣りをしたのかといえばノーであろう。
そう、そうなのである。正直もういないと思っていた。
矛盾するようだが、クニマスに関する色々な知識を得るうちに、誰よりもいないと思っていたのだと思う。
西湖は秘境ではない、どちらかといえば都市に近い湖だ。
それに淡水魚が70年発見されないなんて、絶滅に疑いの余地はないだろう。
知れば知る程にクニマスは僕の中ですっかりおとぎ話と化してしまっていたのだ。
なので、昨日テレビで『黒いマス』が映し出されたとき、驚愕すると共に、少しホロッときてしまったのは仕方がないことだと思う。
世の中は時々不思議なことが起こる。
こういった嬉しいニュースは本当に久しぶりですね。
「さかなくん」改め「さかなさん」「さかな先輩」には敬意を表したい。
次は「秋田市内で辰子さんがいまも生活されていました」なんてニュースが流れたら
ワンダーワールドの始まりです。
ピクチャ 1
ウイ

ギャー!

クニマスが発見された、、。
なんか久しぶりに涙が出そうだ。
本当にさかなくんは偉大だ。