クニマスが発見されたことについて

kクニマス。
実は僕はこの魚の存在を半年程前に知ったばかりだった。
釣りに夢中になった今年、今度の釣りはどこに行こうかねぇと釣り仲間と電話で話すのは楽しみの一つで、東京近郊から行ける川や湖の名前を挙げてはお互いに調べ、まだ行ったこともないのに『○○○はこうゆう湖だから、こう攻めるべきだな』とか『ボートで行けるかねぇ』とかキャッキャはしゃぐわけである。
そんななか、当然東京近郊の西湖の話も挙がった。その時に知ったクニマスのエピソードは
『むかーしむかし田沢湖には、クニマスというお魚がおりまして、皆からとっても愛されておりましたが絶滅してしまいました。絶滅する以前に、いくつかの湖にちょこっと移植放流された記録もあるんで、もしかしたら子孫が細々とどこかの湖で泳いでいるかもね』といった、半ばおとぎ話的なものである。この時点では完全に伝説であって。朝比奈くんの好きなチュパカブラーとどっこいの立ち位置であった。
田沢湖には幼い頃に何度か行ったことがある、たしか学校の遠足かなんかでも行った。
日本で最も深い湖、辰子伝説に始まる三湖伝説、など神秘的な話が多い湖だ。クニマスという固有種がいたなんて当時は知らなかったけど、クニマスを知ってからはtetete氏と電話しながら『オレもし西湖でクニマス釣ったら東北人として、田沢湖の漁協組合に連絡してクニマス復活させるわ』などと田沢湖のPH値を調整する作戦や、釣ったクニマスをすぐに運ぶためにヘリをチャータしとかないとね、とか笑いながら話していた。
ちなみに10月第一週の釣行では前日まで、片倉ダムに行くか西湖に行くかみんなで悩んでいたのである。
絶滅した当時はカラーフィルムもなかったせいか魚体の色が分かる写真も残っておらず、標本もホルマリン漬けの真っ白な亡骸しか見当たらない。『全体的に黒い魚体のマス』という伝聞しか残っていない状態で、姿を想像してもなかなかイメージは湧かなかった。西湖に釣りに行く予定も保留になっていたが、行ったところで本気でクニマスを狙った釣りをしたのかといえばノーであろう。
そう、そうなのである。正直もういないと思っていた。
矛盾するようだが、クニマスに関する色々な知識を得るうちに、誰よりもいないと思っていたのだと思う。
西湖は秘境ではない、どちらかといえば都市に近い湖だ。
それに淡水魚が70年発見されないなんて、絶滅に疑いの余地はないだろう。
知れば知る程にクニマスは僕の中ですっかりおとぎ話と化してしまっていたのだ。
なので、昨日テレビで『黒いマス』が映し出されたとき、驚愕すると共に、少しホロッときてしまったのは仕方がないことだと思う。
世の中は時々不思議なことが起こる。
こういった嬉しいニュースは本当に久しぶりですね。
「さかなくん」改め「さかなさん」「さかな先輩」には敬意を表したい。
次は「秋田市内で辰子さんがいまも生活されていました」なんてニュースが流れたら
ワンダーワールドの始まりです。
ピクチャ 1
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