小学生の頃に毎日一緒に登下校していたS君から新年早々、一通のあけましておめでとうメールが届いた。動画が添付されており、それを再生して一日中笑う。
岩手県の北上市というところに「アピア」というスーパーマーケットがある。
もう20年ほど営業を続けてると思うが、開業当時は田舎に出来た大型スーパーとして斬新な存在であった。様々な店舗が入っており、いつも地元の人でにぎわう華やかなスーパーなのである。
僕らはそこで日常的に【大五郎】という行為を繰り返していた。この【大五郎】とは、下校途中の道のりを少しでも短くするため「アピア」の敷地内を駆け抜けてしまおうという作戦の名称であった。
いまとなってはスーパーマーケットの敷地内を小学生2人が駆け抜けていく風景を目にしたって、なんでもないことに映るだろう。しかし当時の僕たちにとってそれは大胆不敵にして禁断の技であり、リスクを伴う冒険でもあった。いわゆる「危ない橋を渡っちゃうゼ!」的な行為だったわけである。
「Sちゃん今日大五郎する?」「、、やるか。」「大丈夫かなぁ」とお互い息を潜めてアピアに向かう「せーの」でランドセルを背負いながらガッシャンガッシャン全力疾走。駆け抜けたあとは「ふー、危なかったゼ」「やばかったね~」などと、いま思うと「?」な行為をしばらく繰り返していた。
その後も「アピア」においては、試食コーナーでカニを食べまくり、おばちゃんに追っかけられたり、エレベーターの”閉ボタン”を押し続け、その中で寝そべりながら買ったお菓子を食べるという【カルカッタ】という非常識極まりない作戦も実行され、店員さんに怒られたり、ときには担任に殴られながら僕らは少しずつ大人になっていった、はずだった。
が、昨日年賀メールに添付されてきたのは、もうすぐ30歳を迎えるS君が「アピア」の敷地内を「やばいよ~」と言いながら駆け抜ける動画であった。これが笑わないわけがない。久しぶりに見た「アピア」は「JOIS」に名前を変えて、お店の見た目も少し変わっていたけれど、ずっと続いていって欲しいなと思った。それと当時どういういきさつで【大五朗】という作戦名になったかのかもう記憶はないけど、協和発酵の焼酎「大吾朗」のCMのフルPVを発見し歌詞を聴いていると、いまの心情とリンクするというのは不思議な巡り合わせだなと思う。
最近、東北の商業施設の再興に関わる仕事を担当することになったけど「アピア」にかけた迷惑や授かった恩恵を鑑みると、もうこれは本気で身を捧げて貢献しなくてはいけないなと思った。
S君は去年結婚し、子供も生まれた。また、9歳からスパルタで釣りを教えてくれたK池からは「今年はウチに泊まりに来い。一緒に渓流に行こう」との年賀メール。もう3人のお父さんとのこと、にぎやかだろうなぁ。
一歳半ばになる姪っ子の行動を見ていても子供の行動は超絶に面白い。
義兄さん撮影。
大事な友達がたくさん出来るといいね。
順番が逆ですが、
2012年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。皆様のご多幸を!
ウイ