譲られた席

635f9c74.JPG今日、電車の中でつらく悲しい光景を目にしました。
昼の電車にもかかわらず車内は結構混雑気味、僕はドアのそばに立っていたんですが、子供を1人連れたご婦人が乗ってきました。ちっちゃい男の子はハシャぎながら空いている席を探し、ちょうど一人分の席を見つけ「ヤッター!」と座りました。そして、男の子の前にお母さんが立っていたのですが、気を利かせたスーツのおじさんが男の子に
「僕、元気だねー、お母さんと一緒に座りなさいな」と、立っていたお母さんに男の子の隣の席を譲ったのです。
ここまではのほほんして微笑ましい光景だったのです。
しかし、ここで事態は思わぬ方向に!
席を譲られたお母さんが座らないのです。それどころか、「ささ、お母さんお子さんの隣に座ってあげてください」と促すおじさんを無視し続けました。
座らないのは勝手ですが「大丈夫です」とか「いいんですのよ、オホホホ」とか、おじさんの行動に対して一言あっていい場面。
おじさんは首をかしげながらも、席を譲り続けましたが、ご婦人は一向に座らない&無視。
近くにいる誰もが緊張した面持ちでその状況を見守っていました。
僕は「ご婦人!頼むから座ってくれー!何故だ!?なぜ座ってくれない!」と頭をかきむしりたくなる心境でした。
おじさんも一度譲った席に座りなおすのはバツが悪いらしく、立ったまま、、。しばらくその膠着状態が続きました。
10分ほどした頃でしょうか、子連れのご夫人は子供の手を引き電車を降りていきました。
席を譲ったおじさんはそれからも僕のそばに立ち続けていました、なんとなくうなだれているような、悲しい表情をしてた気がします。
なんだかそんなおじさんの表情から
『傷ついたのは、、、生きたからである』
という、高見順の言葉を思い出しました。
ちなみにこの言葉、すごく好きな言葉なんですが中学以来の友人K松が失恋するたびに口にする言葉で、、うーむ、何とも、、。
写真はフランスに行ってる友人が送ってくれたものです。シャルルド空港の夕焼け。 すごい色ですね。
ウイ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。